用語集


管理者
Bacula システムの管理に携わる人またはグループ。

バックアップ
ファイルの保存を行うBacula ジョブ。

ブートストラップファイル
Baculaとそのスタンドアロン型のデータ抽出ユーティリティ(bextract) が、単一または複数ボリュームからデータをリストアすることができる、 必要なコマンドをコンパクトな形式で記述したASCII ファイルをブートストラップファイルと呼ぶ。例えば、バックアップ直後のシステムの状態などが記録されている。カタログがなくてもブートストラップファイルが残っていればリストア可能。カタログ情報から、必要なファイルをリストアするブートストラップファイルを作成することもできる。

カタログ
ジョブ、クライアント、バックアップしたファイル、バックアップが保存されているボリュームの情報を格納したもの。カタログに保存されている情報によって、管理者ま たはユーザは、実行されたジョブとそのステータス、バックアップしたファイルの重要な情報を把握できるだけでなく、もっとも重要な情報として、リストアし たいファイルを選択できるようになる。カタログはオンラインのリソースであるが、バックアップされたファイルのデータそのものは格納していない。カタログ に保存されている情報のほとんどは、バックアップ・ボリューム(すなわち、テープ) にも記録される。言うまでもなく、テープにはファイル属性(下記参照) だけでなく、バックアップしたファイルのデータそのものも書き込まれる。カタログ機能は、他のシンプルなバックアッププログラム(dump やtar など) とBaculaの違いを際立たせる特徴のひとつである。

クライアント
Bacula 用語では、クライアントはファイルサービス、ファイルデーモン、(略称として) FD と呼ぶこともあり、バックアップ対象のマシンを指す。クライアントは、設定ファイルのリソースの中で定義される。

コンソール
ディレクタに対するインタフェースで、管理者またはユーザがBacula を制御するために使われるプログラム群。

デーモン
バックグラウンドジョブとして常駐して、なんらかのタスクを実行するプログラムに対するUnix における呼称。Windows およびいくつかのUNIX システムでは、デーモンの代わりにサービスと呼ぶ。

ディレクティブ
設定ファイルのリソース定義の中で、リソースの特性や設定値を定義するために使う宣言。たとえば、Name は、リソース名を定義するためのディレクティブで
ある。

ディレクタ
Bacula システムの中核となるデーモンで、Bacula におけるすべてのオペレーションのスケジュールを管理して実行を指示する。ディレクタはDIR と呼ぶことがある。

差分
最後に実行したフルバックアップ以後に変更されたファイルだけを集めたバックアップ。バックアッププログラムによっては、別の意味で使っていることもある。

ファイル属性
個々のファイルを識別するのに必要な情報、およびサイズ、作成日時、変更日時、アクセス権限などのプロパティ情報。通常、Bacula はすべての必要なファイル属性を完全に管理するため、ユーザは詳細に把握する必要はない。なお、ファイル内容であるデータ自体は属性には含まれない。

ファイルデーモン
バックアップ対象のクライアントマシンで稼働するデーモン。ファイルデーモン、クライアントサービスと呼ぶこともあり、FD という略称で表記することもある。

ファイルセット
バックアップ対象ファイルを決定するためのリソースで、設定ファイルの中で定義する。バックアップ対象とするファイルまたはディレクトリのリスト、対象から除外するファイルやディレクトリのリスト、および保存方法(圧縮、暗号化、署名) で構成される。詳細は、本書の「ディレクタの設定」の章の「ファイルセットリソース」を参照。

増分(インクリメンタル)
最新のバックアップ以後に更新されたファイルを対象とするバックアップで、最新のバックアップはフルバックアップ、差分バックアップ、または増分バック アップのどれであってもかまわない。Job リソースのLevel ディレクティブ、またはSchedule リソースで定義する。

ジョブ
特定のクライアントに対してBacula が実行するバックアップまたはリストアを定義したリソース。ジョブはタイプ(バックアップ、リストア、照合など)、レベル(フル、増分、または差分. . . )、ファイルセット、およびバックアップファイルの保存先であるストレージ(ストレージデバイスとプール) で構成される。詳細は本書「ディレクタの設定」の章のJobリソースを参照。

モニタ
ユーザやシステム管理者がBacula の状態を監視するときにすべてのデーモンとのインタフェースとなるプログラム。

リソース
Baculaに定義する情報の単位を定義するための、設定ファイルの構成要素。リソースは複数のディレクティブ(個々の設定項目を記述したステートメン ト) で構成される。たとえば、ジョブリソースは、特定ジョブに関するすべてのプロパティを定義してある。すなわち、名前、スケジュール、ボリュームプール、 バップアップの種類、バックアップのレベル. . . 。

プール
BaculaはStorageの中にPoolという箱を用意してそこにボリューム単位でデータを保存しています。ボリュームにラベルを付けて名前で管理します。デフォルトではVol-0001から連番の名前になります。詳しくは以下を参照。
StorageとPoolの関係について

リストア
バックアップメディアからファイルを復元するオペレーションを定義したリソース。これはバックアップと逆のオペレーションである。しかし、バックアップは 対象ファイルすべてを保存するが、ほとんどのケースでリストアはそのうちの一部のファイルだけをリストアする。当然、ディスククラッシュの場合、 Bacula を使ってシステムの全部のファイルをリストアすることも可能である。

スケジュール
Baculaジョブを実行する時期を定義するリソース。スケジュールリソースは、ジョブリソースの中からスケジュール名で参照される。[詳細は本書「ディレクタ設定」の章のSchedule リソースを参照。

サービス
メモリに常駐して実行指示を待っているプログラム。Unix では、サービスはデーモンとも呼ばれる。

ストレージ座標
ストレージサービスから返される情報で、バックアップメディア上のファイルの位置を一意に特定している。ストレージ座標は、保存された個々のファイルに関 連する情報とバックアップジョブ全体に関する情報の、2 種類の情報で構成される。通常、この情報はカタログに保存されるため、ユーザはストレージ座標の詳細を知る必要はない。ストレージ座標は、ファイル属性 (前述) およびバックアップボリューム上の位置情報を含んでいる。

ストレージデーモン
ファイル属性とデータをストレージボリューム(通常はテープまたはディスク) に書き込むプログラムで、SD と略記されることがある。

セッション
通常ファイルデーモンとストレージデーモンとの間の内部的な通信を指す。ファイルセットをストレージデーモンに保存する場合、またはストレージデーモンか らリストアするときに、ファイルデーモンがセッションを開始する。セッションは、Bacula ジョブ(前述) と1 対1 で対応している。

改竄防止用照合
Baculaカタログに保存されている過去のファイル属性と現在のファイル属性を比較するジョブ。この機能は、、Tripwire が提供する整合性チェック機能と同様に、重要なシステムファイルの書き換えを検出する目的で利用できる。サーバなどの保護したいマシンのファイル改さん チェックに対するBacula 照合機能の優位性は、ファイルデーモンだけをそのマシンで実行すればよく、他のディレクタ、ストレージデーモン、カタログは別のマシンに存在するというこ とである。もしサーバマシンが改ざんされたとしても、照合用データベースは改ざんされていない可能性が高い。

照合は、ボリュームに保存された最新データとカタログに保存された情報が一致することを、ファイル属性の比較によって確認するためにも利用できる。なお、ボリュームの
内容と元のファイルの照合はまだ実装していない。

*アーカイブ(未実装)
保存の後に実行されるオペレーションで、データが保存されたボリュームをバックアップ目的で利用しなくすること。このようなボリュームはアーカイブされた とマークされ、ファイルを保存する目的では使われなくなる。アーカイブ済みボリュームに保存されたファイル情報は、カタログから削除される。この機能はま だ実装されていない。

ファイル保存期間
Baculaが認識する保存期間は複数存在する。最も重要な物はファイル保存期間ジョブ保存期間ヴォリューム保存期間である。それぞれの保存期間は特定のレコードがカタログデータベースに保存される期間を定義している。 これはボリュームに保存されたデータが有効である時間と混同してはならない。

– ファイル保存期間
  ファイルに関するレコードがカタログに保存される期間である。この期間は、2 つの理由から重要である。まず、ファイルレコードがカタログに残っていれば、コンソールからデータベースを参照して、個々のファイルをリストアできる。 ファイルレコードがカタログから削除(remove) または整理(prune) されると、バックアップジョブの結果のファイルは閲覧できなくなる。ファイル保存期間を注意深く設定すべき2 つめの理由は、ファイルレコードがデータベースの中でもっともディスク容量を消費するということである。つまり、データベースのファイルレコードを定期的 に整理(prune) して、データベースが大きくなりすぎないようにしなければならない(コンソールのprune コマンドを参照)。

  - ジョブ保存期間
  ジョブレコードをデータベースに保持しておく期間である。ファイルレコードはそのファイルを保存したジョブに結びついていることに 注意する必要がある。ジョブレコードを残したままファイルレコードを削除できる。この場合、実行したジョブの情報を後で調査できるが、実際にバックアップ したファイルの詳細は把握できなくなる。通常、ジョブレコードを削除すると、対応するファイルレコードも削除される。

– ボリューム保存期間
ボリュームが再利用できるようになるまでの期間である。通常、Bacula はバックアップしたファイルのコピーのみを含むボリュームを絶対に上書きしない。理想的な状態では、カタログは、現在使用中のすべてのボリュームにバック アップされたすべてのファイルに対する記録を保持している。ボリュームを上書きすると、そのボリュームに保存されていたファイルに関する情報はカタログか ら削除される。しかし、非常に大きいボリュームプールを使っていたり、ボリュームへの上書きを行わないなら、カタログデータベースサイズが膨大になる可能 性がある。カタログサイズを管理可能なサイズに維持するために、ボリューム保存期間が過ぎたボリューム情報をカタログから削除すべきである。Bacula は、あらかじめ定めた保存期間に応じてカタログを自動的に縮小する仕組みを用意している。

Scan
単一ボリュームまたは複数のボリュームセットの内容を走査すること。スキャンしたボリューム(群) に含まれているファイルの情報は、カタログに記録される。いったんカタログに情報を記録すると、当該ボリュームに含まれるファイルを容易にリストアできる ようになる。保存期間を越えたためにカタログから情報が消去されてしまったボリュームやジョブを再活用するときに、スキャン機能はきわめて有用である。ボ リュームをスキャンしてカタログに登録するには、専用のbscan というプログラムを使う。詳細は、Bacula Enterprise Utility programs のbscan section (section 1.7 on the next page)の項を参照。

ボリューム
Bacula が実行したバックアップジョブのデータを書き込むのためのユニットで、通常は単一のテープメディアまたはディスク上のファイルである。すべての Bacula ボリュームは、Bacula 自身が与えたソフトウェア的なラベルを持っており、実際に読み込んでいるボリュームが何であるかを確実に把握できる。ディスクの場合に取り違えることはほ とんどないが、テープの場合、間違ったメディアをマウントしてしまうというミスは十分に考えられる。