正式運用前のチェックリスト

投稿者: | 2014年6月11日

Bacula(バキュラ) は多少複雑なプログラムで、不適切な設定や運用が原因でイザというときにファイルをリストアできないなどの問題に遭遇する可能性もある。このため、正式運用を開始する前に、ぜひ以下のチェックリストを確認してもらいたい。これまでに主要バックアップ製品を使ったことがないユーザの場合、このことはとくに重要である。

本章に従って対策しておけば、起こりうる問題のほとんどをカバーできるだろう。なお、以下に書かれていない重要なポイントを見つけた方は、ぜひBacula プロジェクトに知らせてほしい。他のBacula ユーザに役立つよう、今後のドキュメントに反映させたいと考えている。

極めて重要なチェックポイント

以下の記述では、Bacula はインストール済みで、ユーザはこれを把握し、チュートリアルかそれと同等のものをこなし、したがって基本的なシステムを構築をする上での設定を終えているものと仮定する。まだの場合、ひと通り準備を済ませてから再度チェックしてほしい。以下のチェックリストは、なぜそれを守らなければならないかについての簡単な説明も含んでいる。ほとんどの項目の詳細な情報は、本マニュアルのどこかに説明してあるので参照してほしい。項目の配列順序は、おおむねシステムを構築するときの順序に合わせてある。すでに構築済み
のユーザの場合は、任意に読み進めればいいだろう。

  • btape プログラムのtest コマンドをを使って、使用するテープドライブがBacula で使えることを確認する。Bacula Enterprise Utility programs のbtape section (section 1.9 onpage 14) を参照。
  • Bacula Enterprise Problem Resolution Guide のTape Testing chapter (chapter 3 on page 37) の章にある9 ステップを順に確認する方が、btape でテストするよりも望ましい。多少時間を要するが、後で困ることはなくなるだろう。
  • btape プログラムのfill コマンドを使って、テープの最後まで書き込んだときの扱いをテストする。Bacula Enterprise Utility programs のbtape program section (section 1.9 on page 14) の節を参照。
  • Linux 2.4 カーネルを使用している場合のみ、/lib/tls を無効化する。このライブラリがあるとBacula は動作しない。「サポート対象オペレーティングシステム」の章の「重要な注意」の節を確認する。
  • 少なくとも1 回以上ファイルをリストアしてみる。バックアップ対象OS (Linux、Solaris、Mac OS、FreeBSD、Win32、. . . ) が複数あるなら、OS ごとにリストアしておくことは重要である。「リストア」の章に方法が書いてある。
  • バックアップジョブごとに対応するブートストラップファイルを作成する。Write Bootstrapディレクティブについては「ディレクタ設定」の章を参照。またブートストラップファイルの詳細は「ブートストラップファイル」の章を参照。なお、デフォルトのbacula-dir.confファイルでは、Write Bootstrap ディレクティブが定義されている。このため、最後のバックアップの状態にシステムを復元できる。
  • カタログをバックアップする。デフォルトのbacula-dir.conf ファイルに例が記述されている。任意のデータベースに対応できるバックアップスクリプトがデフォルトでインストールされており、ユーザによるカスタマイズも可能である。「カタログのメンテナンス」の章のBacking Up Your Bacula Database – Security Considerations も参照。
  • カタログ用のブートストラップファイルを作成する。デフォルトのbacula-dir.conf ファイルに例が記述されている。カタログが損傷した場合、ブートストラップファイルがなければ多大な困難が振りかかるが、あれば迅速にリストアできる。
  • bacula-dir.conf、bacula-sd.conf、and bacula-fd.conf ファイルのコピーを作成しておく。サーバがクラッシュしたときにこれらのファイルをゼロから作り直すのは困難なので、別のマシンなどの安全な場所に保管しておくのが望ましい。
  • Bacula ベアメタルリカバリを必ず用意しておく。「ディザスタリカバリ」の章を参照。
  • Bacula が取り扱うファイル名はUTF-8 でなければならない。このことは、カタログにファイル名を保存するときに重要である。Bacula はWin32 のファイル名をUnicode からUTF-8 に自動変換するが、Unix、Linux、*BSD、Mac OS X などのマシンでは、ロケールを正しく設定しておく必要がある。すなわち、LANG 環境変数が.UTF-8 で終わっている必要がある。たとえばja_JP.UTF-8 など。なお、正確な構文はOS によって多少異なることがある。最近のほとんどのWin32 マシンでは、notepad で設定ファイルを編集した後にUTF-8で保存できる。

推奨するチェックポイント

以下の項目は、問題を回避するのに役立つため、確認することを推奨する。

  • 「[QuickStartChapter」を読んでおくことを推奨する。
  • Bacula をインストールしてひととおり使った後、本マニュアルの「チュートリアル」の章を読み、例題をひととおり実行することを推奨する
  • Bacula Utility Programs (chapter 1 on page 1) の各プログラムの意味を確認しておいてほしい。
  • カタログの肥大化を防ぐため、妥当な保存期間を設定する。以下の3 つの章を参照。
    – 「ボリュームの自動再利用」
    – 「ボリューム管理の基礎」
    – 「バックアップの自動化」
  • Bacula ベアメタル・リカバリを体験しておくことを推奨する。詳細は「ディザスタリカバリ」の章を参照。

毎晩別々のテープにバックアップして翌朝外部にそれを輸送する必要がある場合、以下の運用を推奨する。

  • データのバックアップとカタログのバックアップのそれぞれにブートストラップファイルを作り、これらをフロッピィディスクやCDROM に書き込んで、テープに添付しておく。この方法が使えない場合、ブートストラップファイルを他のコンピュータや他拠点のコンピュータに保存するか、電子メールで誰かに送信しておく。これらすべてが使えない場合には、少なくともブートストラップファイルの内容を印刷して、テープに添付する。ブートストラップファイルはリカバリを簡単にする。
  • 特定のテープを毎日繰り返して使うのは推奨しない。代わりに、テープの選択をBaculaに任せるのが望ましい。マウント可能なテープを把握したい場合、再利用されたか追記可能なテープのリストを印刷できる。そのリストから任意のテープを選択すればよい。なお、Bacula は最適なテープを提案するが、正しいプールに登録された利用可能なテープであれば、どのテープを指定してもよい。
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